ブログアーカイブ

瀬戸内の島から風待町へ

「風待(かざま)ち」という言葉の響きに惚れこんだのは、一〇年以上も前、広島県の大崎下島(おおさきしもじま)を訪れた時のことだ。ここに「風待ち・潮待ちの港」御手洗(みたらい)があった。古い屋敷の並ぶ街に繁栄の面影を残すが、

空はどこから?

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ちょっとしたスリル

先日、誘惑に負けて、あることを始めてしまった。薬だとかギャンブルだとか、そういったことではない。しかし近い面もある。それは要するにインターネットの検索サイトへ行って、キーワードに私のペンネームや作品名を入力する、というだ

ご近所さん

都心から電車で約一時間、新興住宅街のマンション暮らしである。隣や上下階にどんな人がいて何をしているのか、ほとんどわからない。正直なところ、あえて知りたいとも思わない。そんな典型的集合住宅居住民の私と妻が、気になって仕方の

ハヤカワ文庫30周年アンケート

【ベスト5(順位なし)】 ●カート・ヴォネガット『タイタンの妖女』 ●クリフォード・D・シマック『中継ステーション』 ●サミュエル・R・ディレイニー『バベル―17』 ●ジェイムス・ブリッシュ『時の凱歌』 ●フィリップ・K

筒井康隆 讃

「ハード」な「スラプスティック」の魅力 「筒井康隆ってSF作家なの?」という声を聞くことが、たまにある。私もそれに対する明解な答えを持っているわけではないし、明解に答えようとも思わない。しかし少なくとも私が最も親しんだの

週間読書日記

11月×日 文部科学省の補助金で開かれた「動物の形作り―その最前線と新展開」という公開シンポジウムを聞きに行く。現在、構想中の小説に必要な知識を得るためだが、それはそれとして生物の形がどのようにできるのかには昔から興味が

異国の出来事

酔いどれの吟遊詩人とでも言うべきトム・ウェイツからは、色々な意味で影響を受けている。しかし個々のアルバムや曲に、直接関係した思い出があるわけではない。ただ『異国の出来事』(イーストウエスト・ジャパン)に収められている「バ

海の壁

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神話風、冥王星「降格」劇の真相

 秋の夜長、蛍族の私がベランダで煙草を吹かしていると、澄んだ星空から、ちょっと蓮っ葉な女性の声が聞こえてきた。  ……冥王星のことは前から気に食わなかったのよね。私よりチビのくせして何十年も惑星だなんて名乗ってたのよ。し